グリーンランド先住民による鯨の捕獲枠を否決したIWCの決定に関して

パナマ市で開かれた国際捕鯨委員会IWC)の年次総会は、デンマーク領グリーンランドの先住民による鯨の捕獲枠を投票で否決した。2013年から6年間は捕獲枠がなくなることになる。

日本では、「捕鯨に対する世界の厳しい見方が反映された形」と、あたかも「厳しい見方」が先住民を追い詰めたような視点からの報道が目立っていた。

しかし、考えてみたい。

「先住民」という語はもはや既得権益の代名詞ではない。現代社会においては先住民といえどもクジラの代替品は十分手に入る。今どき、冷蔵庫もな い、クジラ以外の食物が食べられない場所など、この世に存在しない。「文化」とは時代と民衆の価値観に従い変わって行くべきものである。

ここでなにより悪質さが指摘されたのは、もともとグリーンランド先住民の「生存権」を守るはずの鯨肉の大半が観光客に売られていた点である。単に人口が増えたとして捕獲枠の拡大を要求したデンマーク側の主張は偽善に満ちている。

グリーンランドの先住民によるナガスクジラやミンククジラの捕獲枠を投票で否決したIWCの決定は十分な根拠がある。決定を評価したい。