捕鯨は政治問題である

 
「鯨類救済の議論に政治を持ち込むべきではない」という主張には確かに一理あるが、捕鯨問題が極めてポリティカルな問題であることもまた事実である。クジラ・イルカ猟は当事国である日本がいくら否定しても、すでに世界が注目するホット・イシューになっている。鯨類救済の行動においては、政治の議論(議論に政治を持ち込むこと)は避けて通過することはできない。人や企業の自由な経済活動ではなく、国策として国・自治体が積極的に関わり、補助金の形で多額の税金が投じられている以上、日本の捕鯨は政治と不可分とな問題である。
誤解を覚悟の上で言うならば、政治を無視して「クジラの素晴らしさ」、「イルカ猟の残酷さ」の情報だけを提供しているのは、彼らを救っているようで、実際には彼らを見殺しにしているに等しい。「天使」はイルカたちだけではない。感情論だけでは、鯨類を救うことは不可能である。

今日28日、日本の捕鯨船団が下関港から南氷洋に向けて出航した。

(この文章は筆者の個人的な見解に基づくものであり、「海洋哺乳類を守る会」の公式見解を表明したものではありません。)
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