経済産業省訪問

6月5日(水)、PEACEの東さちこ様、ヘルプアニマルズの杉坂由加里様、AMMの森岡敏明の3名が経済産業省に対し、巨済シーワールドへのハンドウイルカ輸出に対する抗議文を提出いたしました。1時間余りにわたり突っ込んだ質疑応答が行われました。対応に当たっては、経済産業省貿易経済局野生動植物貿易審査室の小山文彦係長、小林健一課長補佐、小倉聡美課長補佐が対応しました
抗議文(要請書)の本文は以下のとおりです。
---


2013 年6月5日
〒100-8901 東京都千代田区霞が関1-3-1
経済産業省貿易経済協力局
貿易管理部野生動植物貿易審査室 御中
写:水産庁漁場資源課生態系保全室
メディア各位


要請書
日頃、政務遂行にご尽力いただき、ありがとうございます。早急に対処して頂
きたいことがあり、要請書を提出いたします。
要請:和歌山県太地町によるイルカの輸出申請を許可しないでください。
要請の背景:和歌山県太地町の追い込み猟で捕獲したハンドウイルカを、韓国・
巨済島に建設予定の「巨済ドルフィンパーク」に輸出する話が進んでいたことに
対し、韓国国内では、野生動物保護及び動物福祉の観点から、市民団体による猛
反発が起こっていました。
残念ながら5月15 日、既に4頭のイルカが韓国に輸出されたことを「巨済ドル
フィンパーク」が公表していますが、当初の計画では、韓国側は15 頭のハンドウ
イルカを輸入する予定でした。それに対し、韓国環境府が、飼育密度を理由に条
件付きの許可としたため、頭数を4頭に減らして輸入申請が再提出された経緯が
あります。韓国政府が出した条件は、輸入後、仮の狭い飼育場に入れておくのは
3カ月まで、3カ月以内に広い飼育場に移すというものです。
また、韓国環境府は、併せて計画されていたロシアからのシロイルカの輸入を
不許可としています。報道によれば、水温が合わないことを理由としており、動
物福祉の観点が配慮された異例の決定です。
また、インドでは、今月イルカショー禁止の決定が下されました。このように、
イルカの飼育をめぐる国際情勢は、動物福祉を配慮したものに大きく変わりつつ
あります。
要請の理由:
1)野生のイルカを捕獲して水族館等の施設に売ることは、動物への虐待、搾取
とみなされ、世界的にイルカを水族館に搬入することが難しくなっています。そ
うした中で、日本(太地)は、追い込み猟によってイルカを生け捕りにし、国内
外の水族館に売りさばき、国際的なイルカの供給地になっています。日本からの
イルカの輸出頭数は2006 年から急上昇し、2000 年~2011 年までに1082 頭にも及ぶイルカが太地で生け捕られ、売却されました。野生動物の保護が世界の常識に
なっているなかで、「金儲けのために」野生動物を消費し続けることは止めるべき
です。
2)追い込み猟はイルカにとって非常に残酷な捕獲方法ですが、群れの社会構造
や繁殖行動を全く考慮せずに群れのすべてを追い込んで捕獲することにより、捕
獲された個体だけでなく、捕獲を免れた群れ全体にも多大な影響を与え、ひいて
は、その群れが生息する生態系に害を及ぼし、野生動物の著しい減少を引き起こ
す可能性があります。静岡県富戸の海域周辺でのスジイルカ消滅の原因の一端は、
長年の追い込み猟による捕殺の圧力であると考えられています。これ以上の捕獲
及び海外への輸出は、ただちに中止すべきです。
3)イルカが捕獲時に強いストレスを受けてショック死することが知られていま
す。捕獲後1カ月は、イルカの死亡率が6倍に跳ね上がります。これは、イルカ
を移動させた場合も同様です。この期間を生き延びた後でも、多くのイルカが水
族館で死亡します。しかし、イルカが死ねば、水族館は再び野生のイルカを生け
捕りにして補充します。際限ない「野生動物の命の使い捨て」が繰り返されてい
るのです。このような野生動物の扱いは、命の尊厳を冒涜するものであり、とう
てい許されることではありません。
4)近年、イルカの生態が科学的にかなり解明されてきています。その結果、イ
ルカが生息する環境は水族館という建造物では決して再現できない事が分かって
います。このことから韓国では「巨済ドルフィンパーク」建設に反対する気運が
高まり、国際的な強い支持を受けています。(添付の署名書参照)日本がイルカを
輸出することは、イルカの保護活動が活発化している韓国を始め、多くの国々の
動物保護活動に水を差す行為であり、時代の要請に逆らう行為でもあります。
この要請書に対して、国としてどのような対処をされるか、7月1日までに書面
にてご回答くださるようお願い申し上げます。
以上


要請書提出団体(アイウエオ順)
エルザ自然保護の会
オルカ工房
海洋哺乳類を守る会
Choices for Tomorrow (CFT)
PEACE(Put an End to Animal Cruelty and Exploitation)
ヘルプアニマルズ